植薄清重・免田町長(中球磨郡合併推進協議会長)
松村昭・県議会議員(前・地域対策特別委員長)

上村、免田町、岡原村、須恵村、深田村の中球磨五町村は、来年4月1日に合併し「あさぎり町」が誕生します。全国から注目されていた合併が本決まりとなり、期待も高まっていますが、これまでの取り組みの成果、新町建設などについて合併推進協議会長としてリーダーシップを執ってこられた植薄免田町長と、地元県議で県議会地域対策特別委員長として合併を支援してこられた松村昭県議にそれぞれの思いを語っていただきました。

植薄・・・ありがたい県の前倒し助成
松村・・・町村長の強い決意が合併に導く


●合併も本決まりとなった現在のお気持ちをお聞かせ下さい。

植薄:

5月23日に官報に告示され、これで完全に手続きを完了した訳ですが、ここまでに至る中には、地元の松村先生には地域対策特別委員長として陰に陽にご指導をいただきました。このことで非常に高い同意率で議会の議決がなされました。これは確かに中球磨の地形、地理、住民の生活圏が密接に絡んでいる基盤があればこそでありますけど、先生には県庁と一生懸命繋いでいただき、早くから職員を派遣していただいたり、モデル地域として指定をしてもらったお陰だと思います。今、職員一丸となって最後の詰めをやっているところです。

松村: この合併問題については、私が昭和62年に県議会に入ってからたびたび取り上げられて、その論議のたびに球磨郡の名前が上がっていました。よその議員からも、今のような小さい町村で今後やっていけるのか、中球磨は条件は揃っている、という話があり、私どもも早くその時期がこないものかと努力していましたが、県は町村の自主性を尊重して、自ら音頭をとることには消極的でした。しかし議会では、県がしっかり応援しなければできないと尻を叩き、その結果県もマップを作り、中球磨をモデル地域にお願いしたのです。これは中球磨が町村を結ぶ道路も整備され、地域性としても一番やりやすいだろうということになったのです。私ども地域対策特別委員会でもそのような論議を重ねてきたのですが、まず地元の町村長さんたちが、何が何でもやるんだという住民の気持ちを受け取っていただいたのが大きな成果じゃないかと思います。メリット、デメリットについても十分協議し、町村議会でも論議を重ねて決定されたことですから、これこそ本当の合併ではないかと思いますね。合併については、委員長をしていましたから、ここにきて町村長さんたちと座談会をしました。その時に「ムチだけでアメがないじやないか。県はモデル地域として何をしてくれるのか」という話がありましたので、帰って検討したのですが、ちょうど県も十億円を限度に助成をしようということを打ち出していましたので、それを、合併してからでは遅いのではないか、合併までにいろいろとやらねばならない仕事があるということで、先取りしてやった訳です。わずか八億円ではありますが、そうしないと合併に向けての施設の整備などが町村の持ち出しとなって財政を圧迫しますから、これはよかったのではないでしょうか。ともあれ来年4月1日の合併を待つばかりになったのですが、これはやっぱり町村長さんはじめ、議会、地域のリーダーの皆さんが時代の流れをよく認識してもらってご苦労していただいたお陰だと思っております。これからの新生あさぎり町の誕生に向けてお手伝いしなければと思っています。
植薄: この八億円については、はじめ県も合併してからという話でしたが、支度金もいるからと県にもお願いし、先生にも努力をいただきました。八億円の使いみちは五億円が共通経費として電算組織や仮議場、体育館を仮事務所とするための経費などに使っています。残り三億円は、各町村に配分して自由に使ってもらっています。
松村: 1月15日に同文議決をいただき、県の当初予算に組むことができました。県は当初、合併したところに交付するということでしたが、調印も済ませ、同文議決がなされたということが決定打となったと思います。
植薄: あさぎり町となってからも、国・県道、町道などの整備を最優先でするという県のお話もいただいています。大変ありがたいと思います。
松村: やっぱり中球磨の合併が引き金になって県下に合併の動きが広がったのは間違いないことですから。町長さんのご苦労は並大抵のことではなかったと思いますよ。いままでできなかったことをやる訳ですから、これは大事業ですよ。
植薄: そうですね。何といっても百年の大計ですから。
松村: 何といっても人口が減っている訳ですから、若い人の生産力も低下する。そうすると自主財源が減って、小さい町村ほど住民の要望に応えられなくなりますね。そういうことを町村長さんが良く認識されたことが合併できた要因と思います。まず過疎になって人口が減っていることが一番ですが、いい意味では道路が整備されて町村間の距離がなくなったこともプラスになったと思いますね。
植薄: 時代がそういう時代ですから、座談会を開いてもそういう声が跳ね返ってきていました。それと五か町村の二千ヘクタールの圃場整備を一部事務組合でやったことや下水道をいっしょにやったことも大きかったですね。

●これまでには、いろいろとご苦労があったかと思いますが。

植薄:

町村長は気持ちが揃っていましたが、一番心配なのはやはり議会の議決がどうなるかということでした。

松村: それでも、議会が多少ぎくしゃくしてもまとまったのは町長さんの人格と識見ですよ。

植薄・・・支所機能を充実しサービスを強化
松村・・・若い世代が定住できる条件整備を


●合併に向けて、デメリットをどう克服していくかという課題がありますが、
 今後の方向についてお考えを聞かせてください。

植薄:

支所を置くということになっていますが、やはり当初は地元の優秀な職員を配置することが重要だと思います。合併したさいたま市の住民の方の話を聞いたのですが、知らない職員ではうまくいかないようです。

松村: そうですね。福祉、スポーツ、教育など各分野において、これまでの流れをよく知っている、地元の事によく精通した人を何人か配置していただく方がいいでしょうね。各町村には、それぞれ立派な施設があり、さらに整備が進められていますが、合併すると今の町村の枠を超えて、例えば上村の人が深田や須恵村の施設を気軽に利用できるようになり、投資してつくったものがロスなく活用ができるようになりますね。そういう面でも大変有効で、地域が活きてくるのではないかという感じ を持っています。あとは支所に行っても分からなかったということがないようにサービスを徹底することでしょうね。
植薄: 今回の合併について、よく錦町の合併を例にとって深田、須恵はさびれてしまうのではないかという声を聞いていましたが、今は須恵村から深田村までの間に橋が五本あります。あの当時とは全然状況が違う訳ですから、心配はないと思っています。
松村: 併するとできるだけ早い時期に中学校は統合することが必要でしょうね。旧町村への愛着は必要ですが、あくまであさぎり町の中の旧町村という意識を持たないと発展しないと思います。そのような意味からも子どものころから中球磨はひとつであるという意識を植え付けさせ、同級生の絆の中で人間関係ができるようにしないといけないのではないでしょうか。
植薄: 道路整備については、最優先でやっていただくとの約束をいただいていますから、町村間の連絡道などはさらに整備が進むでしょうが、免田駅前交差点の改良は急がねばならないと思います。あと、子どもが減少していきますから、学校問題をどうするか。特に中学校の統合問題は重要だと思います。それと公営住宅を建設して若い世代の定着を図ることはやらねばなりません。
松村: 若い人が地元で働ける条件整備をすることが重要になってきます。なかなか企業誘致は難しい時代ですから、例えば商工会あたりでアンテナショップをつくるとか、観光農園を設置するとか、そういうものが中球磨の発展につながると思います。公営住宅も合わせて若い人が地元に残ってもらうような施策が必要になってくるでしょう。

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